アプリ課金とは?アプリ外課金との違い、仕組みや種類・導入のポイントをわかりやすく解説
公開日:2025年11月10日
更新日:2025年11月10日

アプリを通じて売上拡大を目指す事業者様にとって、「アプリ課金」の仕組みを理解し、適切に導入することは欠かせません。
アプリ課金には「アプリ内課金」と「アプリ外課金」があり、それぞれで決済方法や手数料の仕組みが異なるのが特徴です。とくに近年は、スマホソフトウェア競争促進法を背景に、アプリ外課金の導入が拡大しています。
本記事では、アプリ提供事業者様向けに、アプリ課金の基本的な仕組みや種類、内外課金の違い、導入時に押さえておきたいポイントをわかりやすく解説します。
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[目次]
- アプリ課金の仕組みとは?
アプリ内課金
アプリ外課金 - アプリ内課金とアプリ外課金の違いを比較
決済方法
課金方式
決済方法の種類
手数料の傾向 - アプリ外課金の導入が拡大している背景
- アプリ外課金を導入するメリット
手数料を抑えられる
多様な決済手段に対応できる - アプリ外課金を導入するデメリット・注意点
- アプリ外課金の導入に決済代行サービスを検討する際の確認ポイント
希望する決済手段に対応しているか
信頼できるセキュリティ環境と実績があるか
導入コストや手数料が適正か
サービス・システムが使いやすいか
入金サイクルが適切か - アプリ課金の決済は「SP.LINKS」でスムーズに導入
- アプリ課金に関するよくある質問
アプリ課金の支払方法には何がありますか?
アプリ外課金の手数料はどのくらいかかりますか? - まとめ|アプリ課金に多様な決済手段を導入して顧客満足度を高めよう
- アプリ課金の仕組みとは?
アプリ課金の仕組みとは?
アプリ課金とは、スマートフォンやタブレットにダウンロードしたアプリ内で、追加コンテンツや機能を購入し、料金を支払う仕組みです。
アプリでお金を支払う方法は、以下の3つのパターンに分けられます。
- 有料アプリをダウンロードし、その後は課金なし利用する場合
- 有料アプリをダウンロードし、さらにアプリ内で課金する場合
- 無料アプリをダウンロードし、アプリ内で課金する場合
このうち「アプリ課金」にあたるのは、2と3のようにアプリ利用中に発生する課金です。有料アプリはダウンロード時点で料金が発生するのに対し、アプリ課金はダウンロード後の利用中に支払う点が異なります。
なお、アプリ課金には「アプリ内課金」と「アプリ外課金」の2種類があります。どちらもアプリを起点に手続を行いますが、利用者が選べる決済方法や、事業者様にかかる手数料・収益性等に違いがあるため注意が必要です。
アプリ内課金
アプリ内課金とは、アプリ内で直接決済が完結する方法です。AppleやGoogleといったプラットフォームが提供する決済システムを利用するため、顔認証や指紋認証で即時に課金できる等、利用者にとって手軽に使えるメリットがあります。
ただし、利用できる支払方法はプラットフォームが提供する決済手段に限られるため、選択肢が少ないというデメリットもあります。また、事業者様にとっては高額な手数料が発生し、収益性を圧迫する可能性がある点も課題です。
SP.LINKSでは、決済サービス「e-SCOTT smart」のオプションとして「e-SCOTT アプリSDKサービス」を提供しております。スマホアプリにアプリ内課金を迅速に実装・柔軟な支払い手段を提供したい事業者様に最適です。
関連リンク:
・e-SCOTT アプリSDKサービス
アプリ外課金
アプリ外課金とは、アプリから外部ページに遷移して決済を行う方法です。事業者様は自社で複数の決済サービスを導入でき、AppleやGoogleに支払うプラットフォーム手数料が不要になり、アプリ内課金に比べてコストを抑えられるメリットがあります。利用者にとっても、クレジットカード決済やキャリア決済、QRコード決済、ID決済等、支払方法の選択肢が広がる点で使いやすいといえるでしょう。
一方、アプリから外部サイトへ移動する手間が発生するため、決済完了前に利用者が離脱してしまうリスクがある点には注意が必要です。
アプリ外課金は以前までAppleやGoogleによって厳しく規制されていましたが、2022年以降は緩和が進んでいます。日本でも2024年6月に成立した「スマホソフトウェア競争促進法」により、2025年12月の全面施行に向けて制度の整備が進んでおり、アプリ外課金を導入しやすい環境が整いつつあります。
アプリ内課金とアプリ外課金の違いを比較
アプリ内課金とアプリ外課金には、決済の仕組みや手数料等に違いがあります。具体的には、以下の表のとおりです。
| 仕組み | アプリ内課金 | アプリ外課金 |
|---|---|---|
| 決済 方法 |
アプリ内で 決済が完結 |
外部ページに 遷移して決済 |
| 課金 方式 |
・サブスクリプション型 ・非サブスクリプション型 ・消費型 ・非消費型 |
・サブスクリプション型 ・非サブスクリプション型 ・消費型 ・非消費型 |
| 決済方法の 種類 |
限定的 | 事業者・ 利用者により 選択が可能 |
| 手数料の傾向 | 高額(15~30%) | 低額(事業者・決済方法・ 決済代行会社等により変動) |
ここからは、各項目について解説します。
決済方法
決済方法の違いは、「アプリ内で決済が完結するかどうか」です。
- アプリ内課金…
アプリプラットフォームの決済システムを利用し、アプリ内で支払処理が完了する - アプリ外課金…
アプリから外部ページに遷移し、事業者側で導入したクレジットカード決済やID決済等の複数の方法から選択して支払う
決済方法の違いについては、利便性の高さはアプリ内課金、選択肢の多さはアプリ外課金にあるといえます。
課金方式
アプリ課金には以下の4つの課金方式があり、これらはアプリ内課金・fアプリ外課金のどちらにも用いられます。課金方式の詳細は、以下のとおりです。
| 課金方式 | 特徴 | 例 |
|---|---|---|
| サブスク リプション 型 |
契約中は自動で継続課金される | ・動画配信サービス ・電子書籍読み放題 |
| 非サブスクリプション型 | 契約期間が終わると利用 できなくなり、更新は任意 |
・定期購読サービス ・一部のオンライン講座 |
| 消費型 | 購入すると使い切りで、 再購入が必要 |
・ゲーム内アイテム ・ガチャアイテム |
| 非消費型 | 一度購入すれば永続的に 利用が可能 |
・電子書籍 ・買い切り型の追加機能 |
それぞれ収益モデルが異なるため、自社サービスに適した方式を選ぶことが大切です。
決済方法の種類
アプリ内課金では、アプリプラットフォームが提供する決済システムの利用が一般的で、利用できるのは、クレジットカードやキャリア決済、ストア残高といった方法が中心です。
一方、アプリ外課金では、自社Webサイトといった外部決済ページに遷移するため、クレジットカード決済やキャリア決済、QRコード決済、ID決済等、多彩な支払方法を利用できます。利用者は自分に合った方法を選択でき、事業者は独自のキャンペーンやポイント制度を導入しやすくなる特徴もあります。
手数料の傾向
アプリ内課金では、AppleやGoogleのアプリプラットフォームに対して15〜30%の手数料を支払う必要があり、事業者の収益性を圧迫し、大きな負担になる可能性があります。
一方、アプリ外課金ではこうしたプラットフォーム手数料を回避でき、決済サービス毎に比較的低い料率で利用できるケースが多くあります。そのため、収益性の観点ではアプリ外課金の方がメリットが大きいといえるでしょう。
アプリ外課金の導入が拡大している背景
近年、アプリ外課金の導入が拡大しています。その背景には、2025年12月に全面施行される「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律(以下、スマホソフトウェア競争促進法)」があります。
この法律は、OS・アプリストア・ブラウザ・検索エンジンといったスマートフォンに欠かせないソフトウェアを対象に、優越的な立場にある事業者の行為を規制するものです。アプリストアでは「App Store」と「Google Playストア」が対象事業者に含まれると想定されています。
従来、Appleは自社収益につながらないアプリ外課金を厳しく制限しており、事業者は高額な手数料を支払ってアプリ内課金を利用するか、間接的に外部へ誘導するしかありませんでした。しかし、スマホソフトウェア競争促進法により、状況は変化しています。
例えば、App StoreやGoogle Playストアでは、アプリ内課金以外の決済手段を導入できるようになったり、アプリから利用者を自社Webサイトに誘導して購入させたりすることが可能になります(※1)。
こうした法整備と市場の変化により、アプリ外課金の導入は今後さらに拡大していくでしょう。アプリストアの規制や決済の未来については、関連記事「世界の覇者Apple・GoogleにNoを突きつけた欧州GDPRとエピック~アプリストア・決済の未来~(前編)」で専門家が詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
アプリ外課金を導入するメリット

手数料を抑えられる
アプリ外課金を導入すると、AppleやGoogleに支払う手数料がかかりません。これにより、事業者のコスト負担を軽減できる点は大きなメリットです。
また、クレジットカード等の外部の決済サービスを利用する場合でも、手数料は比較的低く抑えられる傾向にあります。結果として利益率を高めやすくなり、利用者のニーズに合わせた柔軟な料金設定が可能になるでしょう。
多様な決済手段に対応できる
アプリ外課金では、自社Webサイトに遷移して支払う仕組みを利用できるため、クレジットカード決済やQRコード決済、ID決済等、複数の決済手段の導入が可能です。利用者は自分に合った方法を選べるため、利便性が向上します。
また、AppleやGoogleの価格テーブルに縛られないため、事業者は自由に価格を設定できます。さらに、ポイント付与や割引キャンペーンを柔軟に展開できる点も特徴です。
このように、多様な決済手段と自由度の高い価格設計を両立できることは、顧客満足度の向上につながります。結果として、新規顧客の獲得やリピーターの増加にも寄与するでしょう。
アプリ外課金を導入するデメリット・注意点
アプリ外課金は収益性や自由度の面でメリットがある一方で、導入にはいくつかの負担やリスクを伴います。
まず、自社でWebサイトや決済システムを構築・運用する必要があり、初期費用や運用コストに加えて、複数の決済機関との個別契約・審査手続等が発生する点は大きな負担になるでしょう。さらに、セキュリティ対策の徹底も欠かせません。
また、アプリ内課金と異なり、利用者は一度アプリを離れて外部サイトで決済を行う必要があります。手続が複雑だと途中で離脱し、売上減少につながるおそれもあるでしょう。そのため、利用者にとってシンプルでわかりやすい導線設計が求められます。
こうした背景から、アプリ外課金を自社でゼロから構築・運用するのは現実的に難しいケースが多くあります。それらの課題に対応するためには、決済代行会社の利用が有効です。次の章では、決済代行サービスを検討する際の確認ポイントを解説します。
アプリ外課金の導入に決済代行サービスを検討する際の確認ポイント

ここでは、決済代行サービスを選ぶ際に確認しておきたいポイントを解説します。
希望する決済手段に対応しているか
まず、決済代行サービスが、自社の希望する決済手段に対応しているかを確認しましょう。クレジットカード決済やキャリア決済、ID決済、QRコード決済、コンビニ決済、後払い等、代行会社によって取り扱い範囲は異なります。検討する際は希望する決済手段をリスト化し、対応可否を一つずつチェックすることが大切です。
また、利用者にとっても、自分に合った決済方法が用意されている方が安心して利用できます。決済代行サービスを活用すれば、利用者の利便性が高まり、購入意欲の向上にもつながるでしょう。
将来的な事業拡大を見据え、幅広い決済手段を取り扱っている会社を選ぶと安心です。
信頼できるセキュリティ環境と実績があるか
決済データは機密性が高いため、代行会社のセキュリティ体制の確認は欠かせません。具体的には、クレジットカード情報保護の国際的なセキュリティ基準である「PCI DSS」の認証や、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格である「JIS Q 27001(ISO/IEC27001)」の認証、「プライバシーマーク」を取得している会社かを確認するとよいでしょう。
さらに、導入実績や公開されている事例も信頼性を判断する重要な指標です。実績が豊富な会社であれば、経験を活かしたスムーズな導入が期待できます。
導入コストや手数料が適正か
決済代行サービスの導入にかかるコストは、初期費用や月額利用料、データ処理費用、決済手数料、オプション料金等様々です。とくに決済手数料は売上が伸びるほど負担が大きくなるため、長期的な収益性を考慮して確認する必要があります。
複数の会社から見積りをとり、サービスの詳細説明を受ける等して検討するのがおすすめです。
サービス・システムが使いやすいか
決済代行サービスは、事業者の業務効率化のために導入するものです。操作や管理に手間がかかると、かえって負担が増えるおそれがあります。導入時には、売上や入金状況をスムーズに確認できるか、キャンセル処理が簡単に行えるか等、管理画面の操作性を確認しましょう。
また、システムの稼働率や安定性、信頼性も重要なポイントです。導入事例や口コミを参考に、自社のサービス運営に適しているかをチェックすると安心につながります。その際、導入後のサポート体制や問い合わせ窓口の有無も、あわせて確認しておくとよいでしょう。
入金サイクルが適切か
決済代行会社からの入金のタイミングは、資金繰りに直結する重要なポイントです。一般的には「月末締め翌月末払い」や「月2回払い」が多いですが、最近では翌週払いや最短翌日入金に対応するサービスも増えています。
また、一部の代行会社では、オプションとして入金を早めたり、複数回に分けて受け取れる仕組みを提供したりする場合もあります。自社の仕入れや経理処理に適したサイクルかどうかを、長期的な視点で比較検討しましょう。
アプリ課金の決済は「SP.LINKS」でスムーズに導入
SP.LINKSは、クレジットカード決済、ID決済、QRコード決済、コンビニ決済、キャリア決済等の決済サービスを一括で導入できます。
また、非対面業界唯一、大手カード会社16社とダイレクト接続。決済代行事業とデータセンター事業の両面を持つことで高速・安定の強固なシステムを構築し、一気通貫してサービスを提供。決済処理のレスポンスは約1秒と業界トップクラスの速さを誇り、顧客の離脱を防げるのが強みです。
さらに、クレジットカード情報保護の国際的なセキュリティ基準である「PCI DSS」の準拠や「プライバシーマーク」の取得に加え、JIS Q 27001(ISO/IEC27001)の認証基準に基づき、全社・全業務についてISMS適合性評価制度の認証を取得しております。独自の本人認証サービスも備えているため、セキュリティ面でも安心です。事業者様にとってはもちろん、利用者にも安心して決済できるシステムを提供いたします。
導入実績は、物販・通信・デジタルコンテンツ・エンタメなど、業界や業種を問わず幅広い企業に広がっています。スムーズな導入と安心の運用を両立したい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
関連リンク:
・決済サービス一覧
・セキュリティへの取り組み
・導入事例一覧
アプリ課金に関するよくある質問
ここからは、アプリ課金に関するよくある質問に回答します。
アプリ課金の支払方法には何がありますか?
アプリ課金のなかでも、アプリ内課金はアプリプラットフォームが提供する決済システムの利用が一般的で、キャリア決済・プリペイドカード・クレジットカード等といった方法が中心です。
一方、アプリ外課金では、クレジットカード決済、キャリア決済、ID決済、QRコード決済、コンビニ決済等、より多様な方法を導入することが可能です。利用者にとって便利なだけでなく、事業者にとっても幅広い層に対応しやすいのがメリットといえます。
アプリ外課金の手数料はどのくらいかかりますか?
アプリ外課金の手数料は、利用する決済代行会社や決済手段によって異なります。また、手数料率は事業者の業種や取扱商品、販売方法等によって変動するケースが多いため、導入を検討する際には事前に決済代行会社へ問い合わせを行い、自社に適した条件かを確認することが大切です。
まとめ|アプリ課金に多様な決済手段を導入して顧客満足度を高めよう
本記事では、アプリ提供事業者様に向けて、アプリ課金の仕組みや種類、アプリ内課金とアプリ外課金の違い、さらに導入時の注意点について解説しました。
アプリ課金のなかでもアプリ外課金は、手数料を抑えながら多様な決済手段を導入できる点がメリットです。事業者様にとっては収益性の改善につながり、利用者にとっては利便性が向上するため、双方にメリットがある仕組みといえます。加えて、2025年12月のスマホソフトウェア競争促進法の全面施行により、アプリ外課金の導入は今後さらに広がっていくことが期待されています。
こうした背景を踏まえ、アプリ外課金を効率よく安全に導入するには、決済代行サービスを利用しましょう。SP.LINKSは、国際基準に準拠した高いセキュリティ、非対面業界唯一の主要カード会社とのダイレクト接続で高速かつ安定した決済処理、多彩な決済手段と豊富な導入実績を備えています。決済代行サービスの導入をご検討の事業者様は、お気軽にご相談・お問い合わせください。





