継続課金とは?都度課金との違いや導入するメリットを解説
公開日:2017年11月27日
更新日:2025年11月27日

「継続課金」は、一定額を継続的に支払う課金形態で、サブスクリプションサービス等で広く利用されています。一方で「都度課金」は、商品(サービスを含む)を購入するたびに支払う課金形態です。両者には料金回収の安定性や顧客の利用ハードルといった点で大きな違いがあります。
本記事では、サブスクリプション・定期購入系のサービスを提供するEC事業者様向けに、それぞれの特徴を比較しながら、継続課金を導入するメリットについて徹底解説します。
課金方法の種類と特徴
課金方法には大きく分けて2種類あります。
取引の都度、課金をする方法と、一定期間継続的に課金する方法です。それぞれの特徴を見てみましょう。
継続課金(月額課金)
定期購入、サブスクリプション(利用した期間に応じて発生する料金)等、一定額を継続的に支払う形態を継続課金(月額課金)といいます。厳密にいうとこの2つは違いがあり、決済時期と金額を自由に決められるのが継続課金、毎月一定の金額を決済するのが月額課金です。
物販の中でも、食品、サプリメント、化粧品、雑誌等の定期配送や頒布会が適しています。他にも教育・学習・研修プログラムを提供して月謝を得るスクールビジネス、電気や水道等の公共料金、電子コンテンツの定期購入も継続課金のシステムと親和性の高いサービスです。
都度課金
商品(サービスを含む)を購入する度に支払手続を行う形態を「都度課金」といいます。物販を行う一般的なECサイトであれば、この都度課金が基本です。
また、音楽、動画、ゲーム、電子書籍(コミックを含む)といったデジタルコンテンツを1作品毎に単体で購入する場合も、一般的に都度課金が採用されています。利用した分だけ支払う明確さが特徴であり、ユーザーにとっては気軽に利用しやすい一方、事業者側から見ると収益の安定性に欠ける点が課題となる場合もあるでしょう。
継続課金を導入すべきビジネス形態
継続課金は、安定した収益基盤を築きやすい点から、様々なビジネスで活用されています。とくに相性が良いのは、毎月の商品提供を前提とする定期購入系ビジネスや、音楽・動画・電子書籍といったデジタルコンテンツを扱うサービスです。
顧客にとっては利便性が高く、事業者側も長期的な関係を築きやすいのが特徴といえるでしょう。以下の表で、導入すべき代表的なビジネス形態を確認してみてください。
| ビジネス形態 | 主な例 | 継続課金が適している理由 |
| ソフトウェア / SaaS | ・クラウドサービス ・業務支援ツール |
定期利用されるため、安定した収益が見込める |
| コンテンツ配信 | ・動画配信 ・音楽配信 ・電子書籍 ・オンラインゲーム |
デジタルコンテンツを継続的に消費する需要がある |
| 教育・ 学習 |
・オンラインスクール ・語学学習 ・資格対策 |
学習は長期的な継続が必要となるため相性が良い |
| 食品・ 日用品 |
・水 ・コーヒー ・サプリ ・日用品の定期購入 |
消費サイクルが決まっており、定期的な需要がある |
| 趣味・ コミュニティ |
・オンラインサロン ・ファンクラブ ・月額会員制の交流会 |
継続的な交流や限定コンテンツへの参加意欲が高い |
継続課金を導入するメリット

- 収益の安定化
- 請求・入金管理業務の効率化
- 未入金・代金未回収リスクの低減
- 顧客の利便性向上
- 新規顧客獲得のハードル低下
収益の安定化
継続課金は、顧客が解約しない限り定期的に収益が発生するため、都度課金に比べて月毎の売上変動が少なく、収益が安定しやすいのが特徴です。また「顧客数×金額」というシンプルな算出方法で売上予測が立てやすく、収益見通しの精度が向上します。
これにより、設備投資やマーケティング活動といった将来に向けた事業計画も策定しやすくなります。
請求・入金管理業務の効率化
継続課金システムを導入すると、請求書発行から入金確認、消込処理までの一連の業務を自動化できます。手作業で起こりやすいミスを防ぎ、経理担当者の負担を大幅に軽減できるでしょう。
さらに顧客数が増加しても管理工数はあまり変わらず、事業拡大にも柔軟に対応できます。加えて請求管理システムを活用すれば、部署をまたいだ情報共有もスムーズになり、効率化によって生まれたリソースを他の業務に充てられるでしょう。
未入金・代金未回収リスクの低減
継続課金では、クレジットカード決済や口座振替を利用することで期日に自動で決済が完了し、支払忘れや意図的な未払いを防止できます。結果として未入金が減り、督促業務にかかる手間やコスト、担当者の精神的な負担も軽減できるでしょう。
代金が計画通りに回収できるため資金繰りが安定し、経営全体の見通しも立てやすくなります。
顧客の利便性向上
支払情報を登録すれば、その後の手続が不要になる継続課金は、顧客にとっても利便性もあります。毎月の支払の手間や支払忘れの心配がなくなるため、満足度が高まり、サービス継続率の向上にもつながるでしょう。
また、クレジットカード決済に加え、口座振替・ID決済(アカウント決済)・キャリア決済等多様な手段を用意すれば、顧客は自分に合った方法を選択できます。支払に関するストレスが軽減されると離脱率が下がり、長期利用の促進につながる点も強みです。
新規顧客獲得のハードル低下
サブスクリプション型の継続課金モデルは、高額商品を一括で支払う都度課金に比べ、月々の負担が少なく利用を始めやすいのが魅力です。さらにキャリア決済・ID決済(アカウント決済)・口座振替を導入すれば、クレジットカードを持たない若年層やオンライン決済に抵抗を持つ層も取り込めるでしょう。
これまでリーチできなかった新規顧客層の獲得が期待できるうえ、無料トライアル期間を設けることでサービスの価値を体験してもらい、安心して契約へと進んでもらえる流れを作れます。
継続課金に合った決済方法一覧
ここからは、継続課金に合った決済方法として、以下の4つをご紹介します。
- 口座振替決済
- クレジットカード決済
- キャリア決済
- ID決済(アカウント決済)
口座振替決済
口座振替決済は、顧客が指定した銀行口座から代金を自動で引き落とす仕組みです。とくに定期購入やサブスクリプション型サービスと相性がよく、毎回の支払手続を不要にすることで顧客の利便性を高められます。
クレジットカードを持たない、あるいはオンラインでの利用に抵抗がある層も取り込めるため、決済手段の不足によるカゴ落ち防止にも有効です。一度登録すれば支払が自動化されるため、支払忘れによる契約失効リスクも軽減できます。
関連リンク:
・口座振替決済
クレジットカード決済
クレジットカード決済は、ECサイトにおいて利用率の高い決済手段であり、導入は欠かせないといえるでしょう。幅広い顧客ニーズに応えられ、機会損失を防ぎやすくなります。さらにポイントやマイレージも貯まるため、顧客に対してお得な印象を与えられるのも魅力です。
ただし、デメリットとして、カード情報入力の手間や有効期限切れによるエラー等の未回収リスクも否めないでしょう。
クレジットカード決済を利用する場合は、洗い替えサービスを導入することで、クレジットカード情報を最新の状態に保つことができ、有効期限切れによるエラー等の未回収リスクの軽減につなげることができます。
関連リンク:
・クレジットカード決済
キャリア決済
キャリア決済は、商品代金を月々の携帯電話料金と合算して支払える方法です。クレジットカードが不要で、暗証番号等を入力するだけで決済できるため、入力の手間が少なく、セキュリティに不安を抱える顧客にも受け入れられやすい点が特徴です。
この手軽さは、決済プロセスの複雑さを理由とするカゴ落ち対策として効果的に機能します。とくにクレジットカードを持たない若年層を新たに取り込めるため、売上拡大にもつながるでしょう。
関連リンク:
・キャリア決済
ID決済(アカウント決済)
ID決済は、PayPayやPayPalといった外部サービスのアカウントを利用して決済できる仕組みです。メリットは、顧客がECサイトで氏名や住所、カード情報を入力する必要がなく、購入までのステップを大幅に短縮できる点にあります。
入力作業の手間や新規アカウント作成の強制によるカゴ落ちを防げるだけではなく、顧客は普段使い慣れたサービスのIDでログインできるため、安心してスムーズに購入手続を完了できるのがメリットです。
関連リンク:
・オンラインID決済
各課金方法を実現するための決済手段と導入方法
それぞれの方法を実現するための決済手段と導入方法を、以下にまとめます。
| 都度課金の場合 | ・クレジットカード決済、コンビニ決済、銀行振込等、様々な決済手段がある ・運営するECサイトのターゲットやニーズに合わせて決済方法を選ぶのがおすすめ ・多様な決済手段を取り入れるためにも、決済代行会社を利用するのがおすすめ |
|---|---|
| 継続課金の場合 | ・クレジットカード決済、ID決済、キャリア決済、口座振替の導入がおすすめ ・複数の決済手段を導入する場合は、複数の決済方法を一括管理できる決済代行会社を利用するのが一般的 |
- 問い合わせ・相談
- 見積り・申し込み・審査
- システム連携・動作確認
- 決済サービスの利用開始
このように、決済代行会社を利用することで、スムーズに決済サービスを導入できます。決済手段毎に各社のシステム接続や審査をする必要がなく、セキュリティ対応も代行会社側が担ってくれるため、全体的な負担を軽減できるでしょう。
SP.LINKSは、クレジットカード決済、ID決済、口座振替、キャリア決済等の決済サービスを一括で導入できます。
また、クレジットカード情報保護の国際的なセキュリティ基準である「PCI DSS」の準拠や「プライバシーマーク」の取得に加え、JIS Q 27001(ISO/IEC27001)の認証基準に基づき、全社・全業務についてISMS適合性評価制度の認証を取得しております。独自の本人認証サービスも備えているため、セキュリティ面でも安心です。事業者様にとってはもちろん、利用者にも安心して決済できるシステムを提供いたします。
関連リンク:
・セキュリティへの取り組み
まとめ
継続課金は安定した収益基盤、長期的な顧客関係を築きやすいため、定期購入系ビジネスや、音楽・動画・電子書籍といったデジタルコンテンツを扱うサービスで多く取り入れられています。実際に請求・入金管理業務の効率化、未入金防止の実現等、事務的な負担を抑えやすいのも継続課金ならではのメリットです。
継続課金を導入する際、複数の決済手段の導入が必要になりますが、決済代行会社を利用することで、決済手段毎に各社のシステム接続や審査を都度行う必要がなくなります。また、セキュリティの強化も図れるため、顧客に安心を提供できるのも嬉しいポイントです。
SP.LINKSは、国際基準に準拠した高いセキュリティ、非対面業界唯一の主要カード会社とのダイレクト接続で高速かつ安定した決済処理、多彩な決済手段と豊富な導入実績を備えています。決済代行サービスの導入をご検討の事業者様は、お気軽にご相談・お問い合わせください。





