電子マネー決済を導入するには?ECサイトにとってのメリットや留意点

公開日:2018年01月17日

更新日:2025年10月27日

電子マネー決済を導入するには?ECサイトにとってのメリットや留意点

電子マネー決済(QRコード決済も含む)による決済金額は20兆円に迫り、日常的に使う人が増え続けています。この決済は、ECサイトにも導入することが可能です。

今回はEC事業者様向けに、ECサイトに導入するメリットや留意点と、スムーズに導入する方法についてご紹介します。

電子マネーとは

電子マネーとは

電子マネーとは、様々な企業が独自に提供している支払サービスのことです。たとえば、交通系電子マネー等、ICカード内部に電気信号でお金の情報を記録し、そのカードを使って支払ができる仕組み等が挙げられます。利用者はサービス専用ICカードを購入して、あらかじめお金をチャージしておくと、支払の際にカードを決済端末にかざすだけで、商品やサービスの代金が自動的に引き落とされます。

また、近年はスマートフォンを使った電子マネーの種類も増えています。たとえば、スマートフォンを店頭の決済端末にタッチして支払う方法や、スマートフォンに表示したQRコードを決済端末で読み取ってもらう方法等が広く使われています。このように、電子マネーはICカードだけでなく、スマートフォンでも簡単に利用できるようになっています。

種類

電子マネーには様々な形態があり、発行主体や利用シーンの違いから、大きく4つに整理することができます。以下の表では、それぞれの具体例や特徴、使い方、支払方法を比較しました。

交通系

具体例 Suica、Pasmo、ICOCA等
特徴 鉄道会社が発行すし、鉄道・バスの乗車に利用できるほか、店舗やEC等の物販でも利用できる
使い方 ICカードを購入またはスマートフォンアプリに登録して利用
支払
方法
事前チャージ(現金、クレジットカード、オートチャージ対応)

流通系

具体例 WAON、nanaco、楽天Edy等
特徴 流通系企業が発行し、傘下の店舗・ECでの利用に強みを発揮
使い方 ICカードを購入またはスマートフォンアプリで利用
支払
方法
事前チャージ(現金、クレジットカード、銀行口座連携)。一部はオートチャージ対応

クレジットカード系

具体例 iD、QUICPay等
特徴 主にクレジットカード会社や事業者が発行し、
クレジットカードと連携させて使用する
使い方 クレジットカードと紐づけて利用
サービスによってデビットカードやプリペイドカードとの紐づけも可能
支払
方法
利用後にクレジットカード請求として後払い。
デビットカードは即時引き落とし、プリペイドカードは事前チャージが必要

QRコード決済型

具体例 PayPay、d払い、楽天ペイ、メルペイ、au PAY等
特徴 様々な企業(事業者)が発行し、QRコードで決済する
使い方 スマートフォン専用アプリをダウンロードし、QRコードやバーコードを表示して利用
支払
方法
利用前に現金またはクレジットカード、銀行口座連携でチャージ

普及率

経済産業省が発表したデータによると、キャッシュレス決済比率は年々上昇し2024年時点で42.8%(141.0兆円)に達しました。ここで言う「キャッシュレス決済」には、「クレジットカード」「デビットカード」「電子マネー・コード決済」のすべてが含まれます。

この中で「電子マネー」と「コード決済」に注目すると、「電子マネー4.4%(6.2兆円)」「コード決済が9.6%(13.5兆円)」という結果でした。これらの数字から、「コード決済」の方が利用される場面が多いことがうかがえます。

推進されている理由

電子マネー決済が広く推進されている背景には、政府の政策目標があります。経済産業省は「キャッシュレス決済比率を2025年までに4割程度にする」という目標を掲げていましたが、これは2024年の段階ですでに達成されました。

次の目標としては、「キャッシュレス決済比率80%を目指す」としています。推進の理由は「消費者の利便性向上」と「事業者の生産性向上」です。消費者は多額の現金を持ち歩かずに済むうえ、購入データがアプリ等に残ることで家計管理が容易になるでしょう。

一方、事業者にとっては現金管理の効率化に加え、購買データを活用したマーケティング等、業務改善につながるメリットがあります。

電子マネー決済導入のメリット

ECサイト運営のEC事業者様において電子マネー決済を導入するメリットを挙げてみました。

クレジットカードを持たない層も気軽に決済できる

電子マネーの多くはカードに現金をチャージして利用できることや、審査がないため、幅広い層が保有しています。そのためクレジットカードを持てない若年層や、インターネットでカード番号等の個人情報の入力に抵抗がある層に対しては、購入機会が増えることになるでしょう。

クレジットカードを普段使わない層は、口座振込やコンビニ決済を利用します。そのような層の人々にも、電子マネー決済はその場で決済完了という手軽さがあり、コンビニやATMへ支払に行く必要がないので、非常に利便性が高いでしょう。提供している各社の設定によっては、クレジットカードのようにポイントを溜められる点も人気の決済手段である理由の一つです。

未回収リスクを負わない

その場で決済が完了する即時決済であるために、未払いのリスクを最小限に抑えることができます。入金管理や督促等に掛かる工数削減が可能です。利用者にとっても、カードにチャージしている金額の範囲での買い物になる場合が多いため安心して決済することができます。

カゴ落ちを低減し、リピート率の向上につながる

導入することで、利用者はクレジットカード情報を入力したり、コンビニやATMへ支払に行く手間がなくなり、決済フローがより簡単になります。ECサイトでは、利用者が決済情報の入力途中でカート放棄(カゴ落ち)することもありますが、決済方法が手軽になればこうした状況を減らせるでしょう。

さらに、決済の利便性が高まることで顧客体験も向上し、その結果としてリピート率の向上にもつながります。

売上データをマーケティングに活用しやすくなる

電子マネー決済を導入すると、店舗は売上データをマーケティングに活用しやすくなるでしょう。なぜなら、電子マネー決済では顧客の購買履歴が自動的に記録されるからです。たとえば、「どの時間帯や曜日、季節に顧客単価が高いのか」といった情報もデータとして簡単に把握できます。そのため、こうしたデータをもとにマーケティング施策を立てたり、経営分析を行ったりする際に役立つことが期待できます。

電子マネー決済導入に関して留意すること

導入することでECサイト運営のEC事業者様には多くのメリットがあります。その一方で留意すべき点も存在します。

一回の決済毎に手数料が発生する

まず、電子マネー決済では、1回の決済毎に加盟店が手数料を支払う必要があります。さらに、導入する際には、初期費用がかかります。また、毎月システムを利用するための費用も事前に見積もっておくことが大切です。

売上回収が後になる

電子マネー決済の場合、現金のように売上をすぐに回収することはできません。利用者が支払を済ませた後、事業者や、複数の電子マネー決済をまとめて処理する決済代行会社を通じて、店舗にお金が振り込まれます。ただし、この入金は後日となるため、現金決済と比べてタイムラグが生じます。そのため、店舗側は資金繰りを安定させるためにも、決済の入金サイクルをしっかり把握しておく必要があるでしょう。

利用者側に少しの制約が生じる

支払方法は電子マネーの種類によって異なります。たとえば、ECサイトで利用する場合、購入者がパソコン用のカードリーダーを持っていなかったり、スマートフォンに専用のアプリをインストールしていなかったりすると、利用できないという制約があります。

パソコン用の非接触型決済機器はECサイトや家電量販店等で購入できますが、ECサイトでの支払のためだけに新たに機器を買うのは、少しハードルが高いと感じる人もいるでしょう。また、スマートフォンに支払用のアプリをわざわざインストールするのが面倒だと思う人もいるかもしれません。

チャージ上限があるため高額決済には利用されにくい

電子マネーにはいろいろな種類があります。多くの場合、1回でチャージできる金額には上限が決められています。そのため、高額な商品を買うときには、あまり使われないことも想定されるでしょう。

もし店舗で高額な商品を主に扱っている場合は、クレジットカード決済等、他の決済方法のほうが顧客にとって便利なことも考えられます。一方、少額の支払が多い店舗では、電子マネー決済が特に使いやすく、店舗との相性も良いでしょう。

サービス提供事業者側のシステム障害発生時には利用できない

まれにサービス提供事業者のシステムで障害が発生し、特定の電子マネーが一時的に使えなくなることがあります。このような場合、利用者は一時的に決済ができなくなるため、店舗側が売上のチャンスを逃してしまうことも考えられます。

電子マネー決済導入前に検討すべきポイント

電子マネー決済を導入するには、各事業者と個別契約をするか、決済代行会社を利用するという2つの方法があります。決済代行会社は、各事業者での決済処理を仲介したり、まとめたりする役割を果たします。

電子マネーと一口に言っても、大変多くの種類があり、そのいずれも各社独自のポイント制度との連携・移行等互換性があるものは少なくなっています。1種類を導入したからといって、それだけで集客に繋がるとは言えないため、複数の種類を導入することが大事です。

また、決済にかかる手数料や運用費用、売上回収フローについてもあわせて検討が必要です。決済代行会社を利用することで、複数の電子マネーを一括導入することが可能で、コストや売上回収フローも一本化できるメリットがあります。

ECサイトの電子マネー決済導入はSP.LINKSにご相談ください

ECサイトで電子マネー決済を導入したい場合は、SP.LINKSにご相談ください。 パソコンサイトやモバイルサイトのどちらでも、「支払秘書」「楽天Edy」「モバイルSuica」「JCB PREMO」の4種類がご利用いただけます。若年層を含めた幅広い年齢層の利用者にご利用いただけて、デジタルコンテンツ等の少額決済にも対応しています。

また、他の決済方法とあわせて、システム面や資金決済をワンストップでご提供できます。 物販やデジタルコンテンツ販売、教育サービス等、様々な業態に合わせて、SP.LINKSがEC事業者様のご要望に応じた決済方法を柔軟にご提案します。

ご興味のある企業様は、ぜひ以下のリンクからお問い合わせください。

よくある質問

電子マネー決済に関してよくある質問をご紹介します。

電子マネー決済にかかる手数料はどれぐらいですか?

導入する際に必要な料金や手数料、導入費用の内訳は、次のとおりです。

  • 初期費⽤:導入するためにかかる費用です。
  • ⽉額固定費:システムを利用するために毎月かかる費用です。
  • ⼿数料:決済を1件処理する毎に発生する手数料です。


このように、初期費用、月額固定費、そして取引毎の手数料がかかります。

SP.LINKSでは、ご状況を伺ったうえで個別にお⾒積りいたします。お見積りをご希望の方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

まとめ

少額の商品を購入する際にクレジットカードを使いたくない人や、振込手数料等商品代金以外の手数料がかかる決済方法では購入をためらう人、さらにコンビニやATMでの支払を面倒に感じる人もいます。そのため、ECサイト側が電子マネー決済を導入することで、こうした理由による機会損失を減らすことができます。

また、クレジットカードを利用しない、あるいは利用できない若年層等を対象とした商品を扱っている場合は、その層が普段から使っている電子マネー決済の導入を検討する必要があるでしょう。導入することで、利用者がより安全で便利にネットショッピングを楽しめる環境を整えることができます。

SP.LINKSは、国際基準に準拠した高いセキュリティ、主要カード会社とダイレクト接続し高速かつ安定した決済処理、多彩な決済手段と豊富な導入実績を備えています。導入を検討中の事業者様は、以下リンクからお気軽にご相談ください。

この記事は役に立ちましたか?

人気のタグ

    人気記事

    認証取得

    SP.LINKSでは、購入者に決済代行サービスを安心してご利用いただけるように、最善のセキュリティ対策を行っております。

    セキュリティへの取り組み